6/27/2006

ココシリ

可可西里 : マウンテンパトロール   by  陸川 ルー・チューアン

映像でしか観ることのできない自然に圧倒されたが それを超える人間の意志に圧倒されてしまった 
問題の多いチベット地域 第14世ダライ・ラマのことを含め 中国のチベットに対する全てを好意をもって見れない私は(リチャード・ギアほどではないけれど) 現代中国人がチベット人をどうやって表現するかなどかなり批判するぞ精神が底にあって観に行きました
ルー・チューアンに脱帽!! そこには みごとにチベット人がいました
人間がコントロールできない自然 でもお金のためなら死をもかけて自然を破壊する人間 どちらも世界中のそこここで見られることですが 走りすぎると肺が破裂するような極限の自然の中で見せつけられると・・・
この作品はどんな人が観ても 必ずどこかに心を揺さぶられるなにかを 見つけることができる
映像でしか見れない(行く事が難しい)可可西里の自然もとても魅力的です

● この映画のオフィシャルHPです   
http://www.sonypictures.jp/movies/mountainpatrol/

ダ・ヴィンチ・コード

The Da Vinci Code by Ron Howard

もう混んでいないだろうと思って観に行ってきました (空いていました)
いつも思うことだけれど 
上映前に話題になりすぎる作品は すこしきのどくな気がします
かなりの観客が映画を楽しんで観るっていうより
厳しい批評家になって観ている気がするんです

私は ルーブル のガラスのピラミッドを ジャン・レノ(Jean Reno) が 『Scarface of Paris (パリの傷)』と言い捨てたのがかなり気に入りました
秋か冬頃には この作品の原作本も Book-off の100円コーナーに並ぶことを期待して フィクションを読みたいなと思いました
聖書に関する物語はクリスチャンの少ない日本では 感じかたは欧米とはかなり違うんだろうな
2006年の今でもアメリカ中西部カンザス州では ダーウィンの進化論を聖書に反するものとして論争を続けているし・・・ (ルート66をゆく より)
今年5月
National Geographic は【ユダの福音書を追う】と言う特集でした その後関連のDVDと本が2冊出版されています  イエス・キリストを売り渡したユダが実は一番の弟子だった!!
ダ・ヴィンチ・コードの映画の中で 聖書を編集した人達が自分たちに都合の良い福音書だけ聖書に載せた と言うことが出てきたので すごいタイミングと思いました


● この映画のオフィシャルHPです   http://www.sonypictures.jp/movies/thedavincicode/

6/22/2006

インサイドマン

Inside Man   by  Spike Lee

気が付いたらスパイク・リーの映画は25時以来ですね

1957年生まれのSpikeも もうすぐ50代 頑なアフリカン・アメリカンに対する思いでいっぱいの作品ばかりだったのに 他のマイノリティー対する思いにも気持ちを向けた 誰でもが楽しめる作品でした
舞台はアップタウンからウォールストリートへと変ったけれどやっぱり NewYork
ウディ・アレン とスパイク・リー 二人にはNewYork子として どんな NewYork を見せてくれるかいつも楽しみ
短いショットだったけれどモーニング・ハイツやチャイナタウン ただブルックリン・ブリッジを渡ってマンハッタンに入いるシーンに ワールドトレードセンターがないのが とても淋しかった

犯人を向かえる車の中の人達に注目 理屈っぽい人種問題をさらりと見せているのが印象的でした この映画で一番の貫禄をみせたのが ブルック・シールズ そして一番印象深いのは冒頭から流れるチャイア・チャイアというインド音楽でしょう

● この映画のオフィシャルHPです   http://www.insideman.jp/index.php

6/08/2006

ジャケット

The Jaket ジョン・メイブリー( John Maybury )
製作:セクション・エイトSection Eight (ソダーバーグとクルーニーが設立
)

三度くらい予告編を観ていてサスペンスだーって思っていたのですが
本編はSFサスペンス恋愛映画でした
やり過ぎにならない程度のSF (物足りない人も多いだろうなー) は軽やかな重さで私は疲れないで帰宅できたので満足でした
主演のエイドリアン・ブロディ ( Adrien Brody ) は 戦場のピアニストオスカーを受賞 でも私にとってはいつまでも写真家 Sylvia Plachy の息子です
Sylvia の最初の写真集には幼い Adrien が沢山登場しています
数々の賞を受賞している彼女も息子の受賞式は格別だったようで
母親の感激を
Village Voice に寄せています

PS: Brad Renfro も出ているのですが あの少年の面影は何処にも無く 
   [気が付かない人もいるだろうなー] って思いました

● この映画のオフィシャルHPです    
http://www.jacket-movie.jp/

6/01/2006

グッドナイト&グッドラック

Good Night, and Good Luck by George Clooney

個人的にマッカーシズム(McCarthyism) [マッカシー旋風・赤狩りとも呼ばれる] に怒りをもっている一人だったので 心待ちにしていた作品でした
この映画の主役エド・マローについては今までにも CBSの番組 See it Now のビデオや となっていましたが George Clooney はまだまだマッカシーズムに対す怒り(反省) それと現在のTV界の現状を
憂い《一石を投じたい》 のかな みたいな気がしました

今になって思えばほんの4・5年の間の事ですが 低俗にスパイを送り 嘘の告発で人生を変えられた人は数えきれない 
映画界ではその筆頭が
チャーリー・チャップリン(Charles "Charlie" Chaplin)エリア・カザン(Elia Kazan)でしょう
チャップリンは1952年事実上国外追放され 再びアメリカを訪れるのは20年後の1972年アカデミー賞特別賞を受けるためであった 授賞式での盛大な拍手は謝罪と尊敬の意味がこめられた 一方で1998年アカデミー賞名誉賞を受賞したエリア・カザンには
まばらな拍手とブーイングなど批判がおこった
写真界でも
フォト・リーグ (Photo League) がその矢面にたたされアンジェラ・カロミリス(Angela Calomiris) と言うスパイを送り ( 20世紀の瞬間 ・第13章赤狩り参照) 私の好きな写真家 Sig Grossman は不遇な生活を送り Paul Strand はフランスへと渡った
自由社会の象徴のような国アメリカの迫害 50年代は共産主義だったが2001年New York September 11 からはイスラムが ・・・赤狩りと同じような状況を繰り返している

● この映画のオフィシャルHPです   
http://www.goodnight-movie.jp/